明けましておめでとうございます。
2024年が始まりましたが、新年早々に能登での大地震。被災者の方々にお見舞い申し上げると共に、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
1月6日に「Retrace-音をたどる-」のイベントが石垣市でありました。我が師匠・大工先生も参加されています。石垣在住の霜田さんより、イベントの様子が送られて来ましたので、紹介させて頂きます。
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Retraceー音をたどるー スカラシッププロジェクト・コンサートが、大工先生の出身地石垣市新川にある”カフェ・クラス”さんで行われました。
出演者は大工哲弘先生、大工苗子さん、日出克さん、金城弘美さん。
このコンサートの入場料は全額、八重山の次代を担う若手音楽関係者への奨学金として活かされるという素晴らしい取り組みです。
座開きは弘美さんのアカペラで正月ゆんたといわれる「黒島節」そして「赤またー節」。弘美さんが現代版とぅばらーまとおっしゃるオリジナル曲「月の道」でした。弘美さんの情あふれる歌声に涙が出そうな感動の幕開け。
そして弘美さんの同級生のソプラノサックス奏者島袋てつおさんとの「小浜節」。洋楽器とのコラボが新鮮でした。合いの手がサックス!
そして、エイサー曲としてお馴染み「ミルクムナリ」の日出克さんのご登場です。
ギター、ベース、ドラム、キーボード、コーラスのメンバーと共に、普段ご自身はあまり歌わないという八重山民謡を、日出克さんならではのアレンジで次々と披露してくださいました。
「古見ぬ浦ぬぶなれーま」「でんさー節」「まるまぶんさん」「山崎ぬあぶじゃーま」と続きます。ペルー出身のアントニオさんが演奏するケーナなどの民族楽器が、八重山民謡にすごくマッチすることに感動でした。
そしてみんながきっと絶対に聴きたかった生「ミルクムナリ」、もちろん盛り上がりました。
そして、待ちに待った大工先生と苗子さんの登場です!
1曲目はお正月らしく「鷲ぬ鳥節」です。カンムリワシの幼鳥が東に向かって飛んでいく様子を想像しながら、大工先生の唄三線に浸り、至福です。
次は「八重山育ち」。お店の空気が一変し、今までずっと静かに聴いていたお客様たちが、客席で歌い始めました。苗子さんのお琴がとても華やかで艶やかです。更に仲里さんの笛が大工先生の歌三線に色を添えます。
「愛を持って育てよ」と、子守唄の「こーねまーのしゅー」では、大工先生と苗子さんの掛け合いがとても素敵でした。
大工先生のMCはいつもとても楽しく、観客席からは「ジョークが楽しいさね〜!」という声が聞こえてきました。
「殿様節」で一気に盛り上がり、そのまま「くいちゃー踊り」で観客は苗子さんの踊りの虜になりました。
今回の出演者オールスターズで、昨年生誕140周年を迎えた石垣の偉大な作曲家”宮良長包”さんの「えんどうの花」を会場の皆さんと一緒に歌い、演者それぞれの歌詞で「とぅばらーま」、とぅばらーまにベートーヴェンの第九がコーラスで入るという、初めて耳にするアレンジ!最高でした。
「アートとアートが繋がって人を助ける」というコンセプト。今日会場に来るはずだったスタッフさんたちは能登半島に行かれたそうです。ただただ頭が下がります。ディレクターのなかむらさんの八重山に対する思いにも感動。
今回受賞された、お1人は竹富出身の野原さん(大学生、20歳)。もう1人は字石垣出身の高良さん(28歳)
日出克さんは、八重山出身のアレンジャーを育てたいと、おっしゃっていました。お二人の若手音楽家の未来が明るいものでありますよう、心からお祈りします。
今回生まれたオリジナル曲「ぱにむいる(羽生いる)」が初披露されました。若手音楽家たちが、島の先輩方や応援する人々に見守られて飛び立っていく様子を思い浮かべる素晴らしい曲です。
そしてオーラスはみんな大好きな八重山の曲「安里屋ユンタ」。アレンジバージョンで、ロック調で囃子の「サーユイユイ」も力強く。
約2時間半、八重山の歌の世界を堪能した素晴らしい時間でした。
霜田さん、いつもありがとうございます♪
by大哲会事務局