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芸大講座「琉球舞踊の構造」花城洋子(元芸大音楽学部教授)

琉球舞踊とは

? 民俗舞踊・・・古来から島々の人々の生活の中で伝承されてきた歌舞。
? 宮廷舞踊・・・琉球王国時代の宮廷で中国の使節を供応したり、国家的行事
で上演された歌舞。組踊や端踊り(老人踊り、二歳踊り、女踊り、若衆踊り、打組踊等)
を組み合わせて演舞された。

尚育王冊封時の演舞内容
一番 神歌こねり
二番 いりこ踊り
三番 扇子をどり
四番 護佐丸敵討(組踊)
五番 女笠をどり
六番 執心鐘入(組踊)
七番 鞨鞁をどり
八番 忠士身替の巻(組踊)
九番 唐棒
十番 まりをどり

これらは、中国の使節(冊封使)の乗る船を御冠船と称したことから御冠船踊り
とも称されている。御冠船踊りは廃藩置県に伴って、その幕を閉じた。

雑踊り
琉球王国崩壊により、禄を喪った貧乏士族達の中で芸能の心得がある者は、
食わんがため、庶民相手に仲毛、端道などの芝居小屋で上演するようになった。
演目も庶民受けするように、娘が踊る姉小舞(あんぐぁーもーい)など、民間の
風俗や民俗芸能を取り入れた、雑踊りと称される作品が、玉城盛重、渡嘉敷守良、
新垣松含、伊良波尹吉らの名手により次々作られた。

かなよー、汀間当、月の夜、浜千鳥、花風、取納奉行、貫花、かなよー天川
谷茶前、川平節、仲里節、金細工、越来節、馬山川、鳩間節

獅子舞、パーランクー、わたんじゃー、小浜節など400余(2007年)。

女踊りの基本的な構造
出端(ンジファ)・・・踊り手が下手から舞台中央まで出てくる所作。
中踊り(ナカウドゥイ)・・・舞台中央での本踊り。
入端(イリファ)・・・本踊りが終わり下手へ入る所作。

これらは複数以上の歌曲により「序破急」の構成で演じられる。

舞踊の技法
歩行・・・古典舞踊がすり足に対し、雑踊りは踏み足である。
構え・・・男はシンメトリー(左右対称)に対し、女はアシンメトリー
手・・・・コネリ(手首を柔らかく回す手ぶり)
身体・・・ナヨリ(柔らかくしなやかに身体を使う)
腰・・・・ガマクを入れる(腰骨のくびれ部分に息を集中させることにより
コネリ手の返しやナヨリの所作をやり易くする。)

ペーチン