まだ、余韻から覚めません。
那覇市文化芸術劇場なはーと大劇場へ行ってきました。
『ドーナツ盤からの歌声~沖縄民謡最盛期の情熱~』
いやぁ~、すごい催しでした。まさしく「神回」
今、レジェンドと呼ばれる民謡界の大スターも新人デビューはあります。ドーナツ盤でデビューした民謡歌手にスポットを当て、デビュー曲を歌ってもらって華やかだった時代を振り返るという企画。主催は那覇市。粋なことをしますねぇ。
開場一時間前に友人と待ち合わせして、ご一緒する方たちとお喋りしながら時間をつぶします。今回は大阪から、東京から、三重県、名古屋、奈良市からと、賑やかな団体になりました。(とうとう会えませんでしたが、五島列島からも・・・)
最前列に席が確保できたので、開演を待ちます。
ワクワクしますね。
進行役は小浜司さん、ナビゲーターは知名定男さん。お二人の話で舞台が進行していきます。
大城志津子さんの「朝花」から始まりました。饒辺愛子さん、宮良康生さん、上原正吉さんとめくるめくような時間が過ぎていきます。第一部のトリは我が大工先生です。苗子さんのお箏、屋嘉部さんの笛、比嘉恵子さん(でいご娘)の太鼓で「川良山節」を歌われました。喉の調子もよくて、軽やかになはーとの空間に先生の声が満ちていきます。至福の時間でした。
第二部は喜納昌吉さんから始まり、前川守賢さんのトリまで。合わせて3時間30分の長丁場。もうお腹一杯というくらい堪能しました。私の左後ろくらいに座られたご年配のご婦人は、最初から最後まで小さな声で口ずさんでおられました。しかも2番3番まで。いつもなら邪魔やなぁと思うのですが、この日はなぜか嫌にならず
「あぁ、きっとラジオから流れてくる民謡を聴きながら仕事をしてはったんやね」とか「デートの時もジュークボックスが置いてあるお店だったのかしら」と想像が膨らみました。まさしく民謡とともに、青春を過ごされたのでしょうね。
沖縄民謡がキラキラ輝いていた昭和の時代。私には想像するしかありませんが、そのパワーとか時代の匂いとかを感じさせてもらえる良い舞台でした。歌われた歌者の方も一曲入魂、最前列で聴いていた私も、もう二度とこんな舞台はないという一期一会の気持ちで聴かせていただきました。欲を言えば、知名定男さんの歌声を生で聴きたかったなぁ~。
最後のカチャーシーはご高齢の偉い先生方が(笑) 嬉しそうなお顔で、舞台で跳ねてはりました。
いつもの舞台の二倍近い時間だったのに、心地よい疲れで、本当にええ舞台をありがとうございました。
近場の居酒屋で軽く飲んで民謡談議に花が咲き、私は明日があるので、ここでお別れして、友人たちはこの後、普天間の民謡スナックへ流れていきました。元気やなぁ~!
山本千加子