八重山民謡の「鶴亀節」「けーらぬ巻歌」の一節に
「あまん世」の句が出てきます。
♪昔世ぬ巡りょうり 「あまん世(ゆー)」ぬ巡りょうり(鶴亀節)
♪昔世からぬ島ぬ歌 「あまん世」ぬ 親ぬ歌(けーらぬ巻歌)
この「あまん世」句の意味は何だろう?
知らないで歌っている愛好者も多い事でしょう?
実は八重山ではヤドカリの事をアーマンツァーと言います。面白い事に
それが語源になっているのだと言う。
昔々八重山天地の創成の時、最初に現れた生物が「アーマンツァー」(やどかり)であったという神話から来ており。アーマンツァーぬユー(世)「アーマンユー」「あまん世」天昔世に転訛して詠われるようになったと言われております。(石垣語辞典より)
また当山昌直氏の「琉球ヤドカリ類に関する民俗的伝承について」資料の中にも
ーーー白保部落の伝説が紹介されております。
大昔、日ぬ神(てぃだがなし)がアマン神を呼んで、お前は天から降りて下界の島を
造れと言われたのでアマン神は命を受けて出発した。その時天(あま)の槍矛(やりほこ)を授けて多くの土石を与えた。アマン神はその土石を持ち運んで天の七色の橋の上から大海に投げ入れ、天の槍矛でかき混ぜると 土石が懲り固まって八重山のが出来たという。
の島には阿旦(あだん)がいたる所に茂って年々その実は薫り高く熱したが、
神はまだ人間や、さまざまの動物を造らなかった。
後になっては阿旦林の中の穴でアーマンチャー(寄生虫ヤドカリ)を造ったが、
不思議なことにには「カブリー」と大声を張り上げて地上にはい出た。
アーマンツァーは阿旦の実を食って生き、あらゆる島々に繁殖して思う存分に横行した。
ずっと後になって神は人種子を下ろしたのである。ヤドカリの生まれた穴から玉のように
輝いた美し二人の男女が、やっぱり「カブリー」と叫びながら地上に生まれ出た。
地上の人となったものの、腹すいてたまらないので、赤く熟れている阿旦の実に飛びつく
ようにして食べたらとても甘かった。これは二人の生命の神木であったのである〈略〉
これから人間が始ったと言うのである。豊年祭の時に阿旦の実の芯(アダンのふき)を白いやわらかな部分で「スナイ」(味噌和え)をこしらえて神前に供える風俗や、また盆祭などに
仏壇に供えて感謝を意をあらわす習わしが今でも残っているのは、この習わしだと白保の古老から教わった。大正5年(1916年白保部落で採録)~当山氏の資料から~
因みに・
・奄美大島の名瀬では「ヤドカリ」の事を・「アマン」
・沖縄本島の国頭村では「アンマム」・うるま市「アーマン」
・中城村「アマナー」・那覇市「アマン」・糸満「アママー」
・久米島「アマム」・粟国(浜)「アマン」・宮古島(西原)「アマン」
・石垣四ヵ字(登野城・大川・石垣・新川)「アーマンツァー」
・竹富島「アーマンツァー」・黒島「アマンチア」・鳩間島「アミンチア」
・与那国島「アマンプ」
ーーー参考までに
ヤドカリがまさか?八重山島の創世神話と関わりがあることに愚生も初めて知った
非常に興味を覚えました。
機会をみて「アーマンツァー論考」投稿したいね。
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