島唄ブログdiary

『第1回とぅばらーま歌詞コンテスト』入賞者決定!!お待たせいたしました!

新型コロナ禍で自粛期間中の4月「八重山うた・大哲会」が開催した

「デンサ節歌詞コンテスト大会」の好評につき

10月「第1回とぅばらーま歌詞コンテスト大会」を開催しましたところ

多くの応募者がありました。

ようやく先日(15日)10月開催されました「とぅばらーま歌詞コンテスト大会」の

審査会が「紋」で2時間余かけて行われました。

審査員 波照間永吉・大城学・新城亘・外間元・大工哲弘(審査委員長)

太田静男(石垣在のため書類審査となりました)

 

 

 

 

 

〈まず選考基準として〉

  • 何を伝え訴えたいのか
  • とぅばらーま歌らしく旨く表現がされているのか
  • 歌詞は旋律に載せられるのか
  • 八重山の島ムニを巧みに使われているのか
  • その他

※それぞれ審査員先生方一人一人の感想やご意見を長時間交わしながら

厳正なる審査の結果、下記のとおり入賞作品が決まりました。

大変長らくお待たせしました。

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・【最優秀賞】  柿木 薫(大阪府)

声(くい)ん姿(かたつぃ)ん 宇宙(てぃん)までぃ 

届(とぅどぅ)ぐむんぬ

肌(ぱだ)ぬヌフサー(温もり)や のーしき届ぎらるぬ」

ンゾーシー 愛し(かなすぃ)カヌシャーマーヨー

歌意:声も姿も宇宙まで(電波で)届くのに

肌のぬくもりはどうして届けられないのだろう

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・【優秀賞】 下地 直美(石垣市)

島(すぃま)ぬブネー(母親)や 老人(ういぴとぅ)なりねーぬ

歳(とぅすぃ)ゆ取らばん 肝や若(ばが)んげーりおーりよー

ンゾーシーヌ 胴(どぅ)丈夫(ずぅさ) あり給り

歌意:島の母親は年を取ってしまった。

年を取っても、心は若々しくいてください。

いつまでもお元気でいてください。

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・【奨励賞】吉川 太希(大阪府)~イギリス在~

大海(うふどぅ)隔(ぴだ)めーるぃ 

かどーなーぬ(こんなに遠く)島やりゃどぅ

とぅばらーま歌(い)ざば 肝(くぃむ)や なだらぐんさー(穏やかになる)

ンゾーシー 歌(いじ)とーらー

歌意:遠く離れた海外に住んでいると心細さや孤独を感じることがあるけれども、とぅばらーまを歌うと心が落ち着くということを歌詞に致しました。

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・【佳作】№1 大濵 俊晴(石垣市)

キザリゥ(行事)や ねーんなり(無くなり) 闇(やみ)ぬ世の中)

月(つくぃ)や島々(すぃまずぃま) ピカラシ(光らして)たぼーり  

ンゾーシーヌ ぴぃからしたぼーり

歌意:(村)行事がなくなり暗い世の中だけど月が島々(世界)を光らせ(照らし)てください

んぞーしーぬ 光らせ(照らし)てください

※ピカラシ=光らす 石垣市大浜の言い方(表現方法

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・【佳作】 田本 佳信(八重瀬町)

のーどぅやだー(何だったの)思い出(いだ)すぃんでん

思い出さるぬ

歳(とぅすぃ)ば取り 感飛(かんとぅ)ぶ人なりイナムヌ(無念)

ンソーシーヌー・たるん(誰も)とぅー(通)るミツィ(道)

歌意:何であったか 思い出そうとしても 思い出せない

年を取って もうろくした人になってしまい 残念誰もが通る道

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・【佳作】伊藤 幸太(嘉手納町)

七十五年(にん)なでぃ(前)ぬ あぬゆむ(嫌な)戦(いく)さ

とぅばらーま詩(うた)詠み 歌じり語りょうら

ンゾーシー弥勒世 願がよーら

歌意:七十五年前の あの憎き戦争

とぅばらーまの詩でも 語り継ぎましょう

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・【審査員特別賞】池田 陽生(岡山県)~中学2年生~

とぅばらーま歌とぅ すぃま(島)ぬ歌や  

うたぬ情きや 心んが とぅゆ(響)ましょうり 」

ンゾーシー我ぁーぬ肝(くぃむ)ゆ聞きたぼーり

歌意:とぅばらーまや 島唄の 歌の情けを 心に響かせます

私の心をどうぞ聴いてください

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〈講評〉

応募歌詞作品は82句が寄せられました。

初回にしてはまずまずの応募数ですね。

審査委員長としてはふるさと石垣島から多く寄せられたことに喜びを感じております。

また海外のイギリスや岡山県の中学2年生からも作品が寄せられ

入賞されたことに「とぅばらーま歌」もグローバル化になったもんだと喜んでおります。

歌詞の内容は「不戦の誓い」「コロナ禍の世相」「親子の愛」「望郷の念」

将来の自分を思わせる「老いて認知の兆候」など多彩ばテーマの中、インターネットや最先端のAI知能が進んでも人と人の肌の温もりは伝えられない。現代の科学進歩と人の肌ガナサを詠んだ歌詞はスケールが大きいと評価されました。

応募された皆様ありがとうございました。

賞から漏れた作品の中にも捨てがたくレベルの高い内容の句も多く、審査員を悩ませました。

またの機会に是非、チャレンジされてくださいね。

そして審査員の先生方、お疲れさんでした。

厳正な審査を終えて
左から進行の伊藤幸太
大城学、外間元、波照間永吉、新城亘、愚生