「第一回O-15でんさ節歌詞コンテスト」審査発表

八重山人なら誰でも愛唱する教訓歌の「でんさ節」は
西表島の上原村与人(役職)に赴任した宮良里賢(1721~1773)が「でんさ節」を作詞作曲されたと伝えられております。
赴任先の上原村民は当時、道徳や風紀が乱れていたので宮良役人はどうにかしたいと考えたあげく「教訓うた」を作詞作曲され村民に歌い詠みを奨めたのが「でんさ節」であった。

澆季末世 (ぎょうき・まつせ)からおかげで上原村は労働力も増し磨揉遷革(まじゅう・せんかく)となり、たちまち模範村となったというでんさ節の由来がある。後に宮良役人の業績行為を村人は褒め称え万劫末代(まんごう‐まつだい)教訓歌として歌い継がれている名曲です。

歌の力は凄いのである。

因みに「でんさ」とは「伝旨=でんし」で、(そうである)・首尾に「さ=終助」を付けて(そうであるさ)となる。

―――前置きが長くなりましたが
八重山うた・大哲会は新型コロナ感染拡大で緊急事態宣言が発出されステイホームを余儀なくされた会員の皆様と一緒に蟄居中「でんさ節」を通してコロナ禍中の喜怒哀をオリジナルティの歌詞で表現してみませんか。という趣旨で歌詞を公募しコンテスト形式の特別企画をしたところ、嬉しいことに、なんと、126首が寄せられた。力作が多かったため審査選考委員(伊藤、東澤、中村、ブリカール、山本、赤松、大工)7名で何度も審査会を行った為(メールでやりとり)すごく時間がかかりました。ご理解ください。

本日発表できる運びになりました。

(入賞作品下記)
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〈最優秀賞〉 ・・・・吉原 京子(杉並支部)

♪ディグぬ花や終らばん コロナやんまい(病)や収まらぬ
ゆどぅん(梅雨)ぬ雨し コロナゆ流し給り デンサ

意訳(県花のデイゴ花の時節は終わっても コロナ禍は収まらない 梅雨の長雨でコロナを流して欲しい)  
評:沖縄の季節の移ろいの中、コロナは期は長期戦になりそうだ
  今梅雨期の大雨でコロナを流し退治したという国民の強い
  願望が高く評価された。           

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〈優秀賞〉・・・・石川 昭彦(大坂支部)

♪コロナ夜や やーぐまりぃ 我ぁや笛吹き

ピンギャームン(笛吹蟹)酒とぅ笛とぅで 

毎日 夜ば明かし デンサ

意訳(コロナ禍中は家篭り 己は笛吹き蟹者である 毎夜
  酒を前にして笛の稽古しているうちに夜を明かす)
評:コロナ禍中にしかできない夜が明けるまで熱心な稽古。
  感心するも、一人で酒と差し向かい合っている、

  うら寂しい心情がつたわってくる

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〈奨励賞〉・・・・柿木 薫(大東支部)
♪ やーぐまりたんがーしーうるっか 

  ピィンピィン(日に日に)どぅ(身体)や

  ぱんたり(太 る)ねーぬ 

  にたさコロナゆ 我―や 恨みどぅしらりデンサ
意訳(ステイホームばっかりしているので、

  体は日に日に太るばかり憎きコロナを恨むしかない)
評:わかりやすい共通の悩み、ピィンピィン(日に日に)

  という八重山の言葉はインパクトがあり高得点に

  なった。
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〈特別努力賞〉・・・・田中 直康(岡山支部)

♪車ぬコロナ ビールん ストーブぬコロナ 

 ゆぬなー(同名)でん 我やーしきん(世界)ゆ 

 うばーしーる コロナウイルスでんさ

意訳(旧型コロナ車種、メキシコ産のビール、

  ストーブのコロナは同名だけど 

  俺は世の中を脅しているコロナウイルスだ)
評:トヨタの車種、ストーブのコロナを知って居る人は

  いい年でしょう。ユーモアとウィットの利いた作品。

  閉塞感だけではなしに、いまはユーモアパワーも

  必要だと思うのだが。

――応募された会員の皆様本当にありがとうございました。

そして入賞された4名のみなさま、誠におめでとうございます。入賞された皆様には会長の伊藤幸太から近日中にすばらしい賞品が届けられるとおもいますのでいましばらくお待ちください。

賞に漏れた作品の中にも八重山方言や教訓歌と諺を駆使したすばらしい作品も多くありレベルの高さに審査員も至極感心されておりました。
コロナ禍中に使われている専門用語ステイホーム、オンライン、ソーシャルディスタンスという今年の流行語大賞になりうる新語を使った作品も捨てがたく選考委員を悩ませた。

また、今回のコンテスト歌詞募集に興味を示し応募された
福森さんの「でんさ節」作も八重山の教訓歌と世界平和を希求されたすばらしい歌詞に感謝申しあげます。

残念ながら非会員が故、審査外になりましたが、次回のコンテストは一般に開放しますので懲りずにご指導ご鞭撻の程を八重山うた・大哲会&「拙島唄ブログ」宜しくお願いします。また「とぅばらーま」歌詞で「コロナ世は朝凪あらし給り」「今どぅぴとぅとぅきぃ弥勒世願てぃ」島ムニ(方言)を良く知ってらっしゃる表現歌詞を3節寄せていただいた方もいらっしゃっいましたが、今後の「とぅばらーま歌詞コンクール」まで大切に温存させていただきます。

総評として、初めての企画にも関わらずよく勉強されている成果が詞面に表れていた作品がみられ喜ばし限りでした。しかし、言いたいことが強く羅列に言葉を並べ、いわば字余りが多く、唄として歌えない詩形になり減点の対象になった。反省され次回の歌詞コンテストに再チャレンジされることを要望します。
世は緊急事態宣言が一部解除されたとは云え、まだまだ感染のリスク対策は厳守されながら、一日も早く世界中に元の生活とリズムが戻られること祈っております。
応募された皆様、審査選考された選考委員先生方のみなさま
ありがとうございました!!
全国会員の皆様、どうぞ ひきつづきご自愛ください。